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村上春樹を読んでいそうな人のはなし。


村上春樹を読んでいそうな人のはなし。
荒木ゆうか

村上春樹を読んでいそうな人、って
どのようなイメージがありますか?

文学的?本好き?

さて、そもそもあなたは、村上春樹の小説を読んだことがありますか?

どんなイメージ?という話なので、
読んだことがなくても、なんら問題はないのですが。

**

韓国人の友人から、
「中学2年生のころ、村上春樹の小説=エロ本 、という認識だった」と言われました。
「あいつ、村上春樹読んでるらしいぜ」のような会話が行われていたそうです。

思わず笑ってしまいましたが、
すごいなって思いました。
だって、村上春樹を知ってる…そして、本の中身を知っている人も
多かったのではないかな?と。

今の日本人で、村上春樹を読んでいると聞いて、
文学的だと思い浮かべる人の何人が、村上春樹を読んだことがあるのかなあ。
韓国で、内容が伴わずに言葉だけが歩き回っていないといいけれど。

**

この、「あの人の小説を読んでいそう」とか、
「○○の小説を読んでいる・・・なら、」という連想は、
村上春樹の小説の中で、よく用いられています。
ためしに、『ノルウェイの森』を見てみると、

「『グレート・ギャツビイ』を三回読む男なら俺と友だちになれそうだな」

「『戦争と平和』もないし、『性的人間』もないし、『ライ麦畑』もないの。それが小林書店。
そんなもののいったいどこがうらやましいっていうのよ? あなたうらやましい?」

「あの『ライ麦畑』の男の子の真似してるわけじゃないわよね」

など、いろいろな小説の名前が出てきます。
クロップシュトック」みたいですよね。

前提の共有した知識があるからこそ、成り立つ会話であり、
読み手の力を問われているような、そんな気分になります。
そして、○○を読んでいそうな人、という言葉のもつ、
「言葉では言い表せない雰囲気」を感じ取ることが出来たなら、
どんな人なのか、なんとなく思い浮かべることができる気がします。

**

そして、これを用いているのは、決して小説の中だけではなく。
研究でも用いられていたりします。

最近、学校の講義で扱った、竹内洋さんの『教養主義の没落』という本では、
『昭和十三年学生生徒生計調査』(文部省数学局)のなかにある
「最近読みて感銘を受けたる書籍」において、
昭和戦前期のベストセラーである『若い人』(石坂洋二郎)が何位にランクインしているか
学校類型別にみるということが行われています。

官公立医・薬専門学校では〇位、
官公立高等商業専門学校では〇位、
私立大学予科で〇位、
公私立女子専門学校では〇位である。
ところが、
官公私立旧制高校では〇位、
高等師範学校では〇位である。
などといったように。

その際、『若い人』はどのような内容なのか?
どのような立場の人から支持されたのか?
に着目をしながら、
当時の意識を探っていきます。

なんだか、わくわくしてきませんか?

洋書を読んでいるとかっこいい。
だから洋書を読む、みたいな考えは
昔から存在していたみたいです。

こういうことって、
研究としてだけではなく、
私たちが普段ラベリングをするときに無意識にしてしまっていることのような気がします。

有川浩が好きなんだ、恋愛だね、みたいな
東野圭吾が好きなんだ、推理だね、みたいな。

しかし、そこには
読んだ人だけにわかる奥深さがあって。
ただの恋愛ものじゃない、とか。
ただの推理ものじゃない、あの、ぞくぞく感とか、頭のいい感じとか。
また、決してその一面しかもっていないわけではないということも、面白い。
恋愛ものばかりじゃない、とか。

おもしろい。

たくさんの本を読むことは、
たくさんの世界を知り、
たくさんの言語を身につけているような気分になります。

 

ぷれぜんと」をはじめ、
さまざまなイベントが一段落したら、
勉強勉強💦就活就活💦卒論卒論💦となる前に、
本を読もうと思います。


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