ブログ

サンクスギビング


サンクスギビング
松延壮

年の瀬だ。待ち焦がれた引っ越しは、数日後に迫った。
僕は、日に日に増える、ホストファザーの滅茶苦茶な振る舞いから逃れるべく、友人の家で長い日曜日を過ごしている。

先日、仲良くしているアメリカ人の友人に、サンクスギビングの祝日に家まで招待してもらい、その家族や隣人に夕飯をご馳走になった。今回はその体験を書く。

彼の家はビーチの近く、ゲートエリアという、住民だけが立ち入れる住宅街の中にあった。
エリアの中の大きな家々は煉瓦造りが多く、街頭や道路も含め、ヨーロッパ風の印象を抱かせた。
着いてすぐ僕たちは、隣家のおじさんの、七面鳥を焼くのを手伝った。

まずは数日間ねかせた二羽の生肉の、周りに付着したハーブやスパイスを丁寧に拭き取り、グリルに運んだ。
Mr Beanが頭に被っていた、まるごと一羽の七面鳥は思っていたより重く、両手で抱えるのにも一苦労だった。

それからメープルシロップとりんごジュースを混ぜたソースを、肉が黄色になるまで塗りたくり、焼き始めた。
2時間ほど待ち、皮が茶色く、パリパリになったところで完成だ。

その後それを、おじさんが細かく切り分けた。僕たちは、七面鳥に、近所の各家庭が持ち寄った種々のおかずを添えて食べた。
七面鳥には、中まで味が染み込んでいるというより、風味が付いているという感じで、濃い味が好きな僕には若干物足りなかったが、それでも、普段の食事より全然美味しく、見栄えも良かった。

七面鳥を焼くのを待っている間、友人の妹や母親に対面した。友人の家族はお互いのことがとても好きで、愛情表現がとても直接的だ。言葉でそれを伝えるだけでなく、僕が見ている眼の前でしばしば頭を撫でたり、ハグしたり頬にキスしたりする。以前彼に、日本でそういう習慣を持つ人は珍しいことを伝えたとき、それではどうして愛情を伝えるのか、と不思議がっていた。

妹は高校生で、元気が良い。インディロックが好きということで、互いの好きなバンドの話などで割と会話が弾んだ。母親はメキシコ出身で、細身の、きれいな人だった。自分の息子や僕のことも「ハニー」と呼び、とても親切にしてくれた。

帰る際、友人の家族はいつでもうちに泊まりにおいで、と言ってくれた。素朴に嬉しく思った。

次回はロサンゼルスの滞在記的なものを書きたいと思う。

 


コメントを残す

*