ゆうさぎの冒険

第五話「ゆうさぎ、はりつく」-ゆうさぎ side-


第五話 「ゆうさぎ、はりつく」 -ゆうさぎ side-

拝啓、あなたさま

お元気ですか?
好奇心は、ときどき恐ろしい力を発揮するものみたいです。

わくわくしながら関数を解いていたら、
みんなの様子も見てみたくなって、
気付いたら、プリントを飛び出しちゃいました。

このお手紙は、黒板の上から教室を眺めながら書いています。
書いて…は、ないか。
脳内で文章を作り上げています。

教室を上から見てみると、いろいろなものが見えます。
ちょっぴり残念なこともありますが(僕の主は、先程からずっと窓の外を見ています)
新しい発見もたくさんあって楽しいです。

例えば、僕のちょうど下、教卓の目の前の席の女の子は、とても面白いノートを書いています。
僕の友達がたくさん出てきそうな、そんな、絵であふれたノートです。
一方、廊下側の列の後ろから3番目の男の子は、とても字が綺麗で、まとめられたノートです、

ときどき、僕と目が合う生徒がいます。
僕のことが見えているの!?とびっくりしますが、
どうやら時計を見ているだけのようです。

あ、主がぼくに気付いたみたいです。

教室全体の止まったような時間が、先生の声によって動き始めました。
ノートをさりげなく隠す子、あてられないように一生懸命目をそらす子、
数人、目を輝かせて「わかった」という表情をしている子もいます。
下を向いていたさっきまでの時間とは大違い。
微妙な緊張感の中で、好奇心と退屈な気持ちが混在している。
いろんな気持ちが伝わってくる、とても不思議な光景です。

しばらく、彼女のそばで観察を続けていくつもりです。
ボーっとしているように見えて、いろいろ考えている、とても面白い子です。
もっともっといろいろな世界に出会えること、学べることをたのしみにしています。

それでは、
お体に気を付けてお過ごしください。

ゆうさぎ🐰

 

***
次回予告!?

ゆうさぎの冒険2が公開されているぴょん!!!


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